井戸ポンプが吸い上げないときは、まず空運転での焼き付き防止のため電源を切る。その上で原因を切り分ける。DIYで確認すべきチェックリストは次の10項目。①電源系の異常:ブレーカーの落下、コンセントの抜け、延長コードの不良、電圧低下を確認。モーターが唸るだけ・無反応などの症状を記録する。②圧力スイッチと圧力タンク:スイッチの作動圧がズレていないか、端子の焼け・配線の緩みがないか、タンクの空気圧がメーカー規定付近かを点検。事前に必ず減圧・通電停止を行う。③呼び水不足:ジェット(浅井戸)ポンプは呼び水栓から満水になるまで注水し、プラグのパッキン劣化や締付不足による空気混入を除去。何度か再注水しても空気が抜けない場合は配管側の漏気を疑う。④逆止弁(フート弁・チャッキ弁)の不良:弁が開きっぱなし/閉じっぱなし/砂噛みで作動不良だと配管が空になる。弁を分解清掃し、スプリング劣化やパッキン割れがあれば交換。井戸内のフート弁は落下防止に注意。⑤吸い込み配管の漏水・漏気:継手の亀裂、シールテープ不足、ホースバンドの緩み、配管のピンホールを点検。泡立ち音や配管外面の湿りはサイン。怪しい継手は一度外し、面取り→シール→規定トルクで再組立。⑥吸い込み条件の不適合:吸上げ高さが仕様(浅井戸で概ね7m程度)を超える、配管が長すぎる、径が細い、上り下りでエアが溜まる配管レイアウトなどは要是正。可能な限り短く太く、緩やかな上り勾配でエア溜まり(サイフォン折れ)を作らない。⑦ストレーナー・フィルターの目詰まり:砂・泥・鉄錆で吸い込み側ストレーナーが閉塞すると流量が出ない。取り外して洗浄し、再び砂を吸わないよう井戸底からの高さや目開きの見直しを行う。⑧吐出側の閉塞・凍結・止水栓閉:吐出配管や蛇口側のフィルター、逆止弁の固着、冬季の凍結で流れが塞がれていると圧が上がらず循環しない。全開にしてテストし、凍結は自然解凍または断熱補修。⑨水位低下・井戸枯れ:渇水や同時給水で静水位が下がると吸い込み不能になる。時間帯を変えて再試験し、必要ならポンプ位置の見直しや深井戸方式(インジェクター)への変更を検討。季節変動が大きい井戸は余裕を持った設計にする。⑩ポンプ内部の摩耗・破損:羽根車(インペラー)摩耗、メカニカルシール劣化、シャフト固着、ケーシングの砂噛みで揚水できない。カップリングの空転痕や漏水跡があればオーバーホールまたは交換を判断する。以上を順に当たれば大半は原因が特定できる。作業は必ず「停電・減圧・逆流防止」を守り、呼び水・弁・配管の三点(空気を入れない・止める・短く太く)を徹底することがポイント。自分で対応できるのは清掃・シールや簡単な部品交換までとし、モーター焼けの臭い、異常振動、金属音、頻繁なブレーカー遮断、井戸内での作業が必要な場合は専門業者に依頼する。浅井戸・深井戸・水中ポンプ(井戸内設置)では点検要領が異なるため、取扱説明書の仕様値(吸上げ高さ、必要呼び水量、推奨配管径、作動圧)を参照し、合っていなければ仕様側から見直す。最後に再発防止策として、砂・泥の多い井戸は二重ストレーナーと定期洗浄、屋外配管は断熱と紫外線対策、逆止弁は数年周期で予防交換、停電復帰時は毎回呼び水確認をルーチン化する。緊急で業者を探すなら「井戸ポンプ修理 堺市」で近隣拠点・夜間対応・出動時間の目安を事前確認し、到着前に現場写真と症状をメモしておくと復旧が速い。